極める力
そういえば、私は昔からオタクに憧れていた。
オタクの何がすごいって、あの極める力が羨ましかった。
好きになったらとことん調べたり集めたりして、
常に追求して、新しい知識を自分のものにできる。
昔から私にはその力が足りないと思うことがしばしばあった。
私は、どう考えても極めるタイプじゃない。
専門職よりは管理職タイプ。
狭く不覚ではなく、広く浅く。
できることは結構たくさんあるんだけど、
どれも人に自慢できるほどじゃないかもしれない。
けれど、大人になって色々な人を見ていると、
私のこの能力も結構すごいのかも、と思えるようになった。
バランスがいい、と自分で思っている。
できること、できないこと、やれること、やらないことのバランス。
一芸に秀でた人って実はいっぱいいたりする。
その芸を今現在役立てているか、適職につけているかは別として、
この人ここすごいよな、って思える人ってたくさん出会った。
でも、この人オールマイティにバランスよくなんでもできるよな、っていう人は
案外少ないのかもしれない、と気づけた。
他人の芝生は青く見える、ではないか、完全に。
そう思ってからは、極める力について憧れは持ちつつも、
それを絶対に手に入れたいという気持ちも薄れた。
だから、今日ふと自分がそう思っていたことを
ある人を見て、思い出した。
懐かしい気持ちになった。
たまに、自分の成長を自分で振り返るのも悪くないかもしれない。